17年の道のり

ケアワーカー M・E

 現在、ケアワーカーとして働いていますが、介護の仕事を始めて17年になります。もともと母が介護の仕事をしていたため、この仕事があること自体は知っていました。が、もう一つの選択肢であった介護の道を選びました。キャリアのスタートは介護施設で、そこで10年間働きました。が、戸惑いは少なかったです。昔からお年寄りの方と話すのが好きだったことが、違和感なく仕事に入れた大きな理由かも知れません。現在の病院のケアワーカーの仕事は、私が働いていた施設の先輩に紹介していただき、転職に至りました。介護の仕事はトータルで17年という経験年数ですが、この病院ではまだまだ中堅だという意識で働いています。

会話にリスペクトの気持ちをもって、患者さんへの丁寧な接し方を心がけたい

 ケアワーカーの仕事で私が最も大切にしているのは、患者さんへの接し方、特に「言葉遣い」を含む一つひとつの行動を丁寧にすることです。高齢の患者さんは、人生の大先輩にあたりますので、言葉には常にリスペクトの気持ちを持つように心がけています。患者さんの反応を見て、興味を持っていただけたら話を続け、そうでなければまた違う話題を投げかけます。病院での仕事は施設と比べて患者さんとの関わる時間が短いという違いはありますので、その短い期間だからこそ、一歩踏み込んだ関係をつくるために、そうした話題を提供してお互いの関係を築き、丁寧な関わりができるように心がけています。

「正解がない」から患者さんにもっと向き合いたい。QOL向上を目指すケアマネージャーへ

 ケアワーカーの仕事は、単なる清潔ケアや身の回りのお世話だけではありません。患者さんを検査室へお連れしたり、転倒リスクを下げるためにベッド周辺を整備したり、多岐にわたります。看護師や医師と連携してチームで動くため、患者さんの状態を把握し、環境整備を通じて安全を考える仕事でもあります。この仕事のやりがいは、自分が日々行っている一つひとつの行動が、患者さんの退院やQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)の向上に繋がっていると認識できる点にあります。この仕事には明確な「正解がない」はありません。だからこそ、「これで良かったのかな」と常に振り返り、もっと患者さんに向き合っていきたいという気持ちで仕事を続けています。今後は、家族や病院、施設の間に入り、患者さんにとって最適なプランを考える「ケアマネージャー」の資格を取得し、実践していきたいと考えています。