
ケアワーカー S・K
以前、私は東京で料理を作る、飲食関係の仕事をしていました。今の病院でケアワーカーとして働くようになったのは、全く違う仕事からのキャリアチェンジでした。こちらに引っ越してくることになった際、義母がこの病院の介護職(ケアワーカー)の募集を勧めてくれたのが、この仕事を始めたきっかけです。それまでは、医療や介護に関わる機会は全くありませんでした。ケアワーカーの仕事を紹介された時は、「大変な仕事だろうな」という印象でした。特に、おむつ交換などの身体介護や、お年寄りの方と関わった経験がなかったのでどのようにコミュニケーションをとるのかなど、いろいろと大変さを想像していました。しかし、「大変だろうけど、自分にならできるんじゃないか」という前向きな気持ちで、この世界に飛び込むことを決めました。現在、この病院で働いて9年目になります。
戸惑いが多かった1年目。私を支えてくれたのは温かい職場の人間関係
仕事を始めた最初の1年間は、やはり大変なことの連続でした。特に、認知症の患者さんに関わるのは初めてだったので、どのように対応したらいいのかわからないことも多かったのを覚えています。感情的になってしまう患者さんと接し、戸惑ってしまうこともありました。ベッドに寝ている患者さんの清潔ケアを行う際も、苦しくないようにどう動かすべきか、どう声かけをしたら納得してもらえるか、毎日試行錯誤を続けていました。これまで経験したことがないハードルを乗り越えることができたのは、ひとえに同じ部署の先輩方のおかげでした。私が未経験であることを知っていたので、本当によく関わってくださり、どんな質問をしても、私が納得できるように丁寧に説明してくれました。看護師さんも含め、皆さん気にかけてくださる、本当に温かい職場が今の私を育ててくれたと思います。私生活の面でも、自宅で取れたお野菜をくださるなど、他にもいろいろな面で助けていただきました。こうした職場の人間関係の良さが、この仕事を続けることができた一番の理由だと思っています。
患者さんの「喜び」を力に変え、チームの一員として成長し続けたい
私がこの仕事にやりがいを感じるのは、「人のお世話をすることが好き」だからだと思います。患者さんに寄り添っているという実感が湧く瞬間が嬉しくて、患者さんが喜んでくれた時や、ご家族から感謝の言葉をいただいた時に、この仕事を選んでよかったと感じています。ケアワーカーの仕事は、介護だけでなく、看護師さんと協力して医療チームの一員としてできているという点が大きな魅力です。患者さんの状態を注意深く観察し、顔色や普段との反応の違い、体の傷などを看護師に報告するなど、チームとして連携しているという実感と責任感を持って働いています。患者さん一人ひとりは、皆さん違いますし、同じ患者さんでもその日その日によって状態が違うため対応を考えなければなりません。これまでの経験から、表情や反応を見て、声かけの仕方を変えるなど、工夫を凝らすことを大事にしています。今後は、現状に満足せず、専門的なことなど、もっと知識を学んで、どんな状況にも対応できるケアワーカーになりたいと思っています。公立病院として経営面での安心感があることに加え、病棟数が多く、さまざまな患者さんと関われるので、成長につながると感じています。
