
看護師長 S・K
スタッフから主任、そして師長へと立場が変わる中で、物事の見方や自身の役割は大きく変化しました。スタッフの頃は、自分に与えられた看護業務に集中し、一つひとつの責任を果たすことが使命でした。しかし管理者になってからは、個々の業務だけでなく、部署全体を見渡し、すべてのスタッフに公平に目を配ることの重要性を痛感しています。視野が広がった一方で、新たな葛藤も生まれました。現場が忙しくしていると、管理者としての立場を越えて、ついプレーヤーとして仕事に手を出してしまうことがあります。「管理に徹すること」と「現場を直接サポートすること」の最適なバランス、その線引きの難しさに今も日々向き合っています。自分の役割からチーム全体のパフォーマンスへと視点が移り、その責任の重さを感じながらも、チームを支える大きなやりがいを感じています。
看護の原点である「誠意」を胸に、風通しの良いコミュニケーションを大切にしたい
看護師として、私が個人的に最も大切にしているのは「誠意を持つ」ということです。どんなに忙しくても、患者さんとの関わりを雑にならないように気を付け、丁寧な言葉遣いや、相手を尊重した愛護的なケアを心がけてきました。これは、私の看護師としての原点です。管理者としては、この「誠意」を部署全体で体現できるような環境づくりが重要だと考えています。そのために不可欠なのが、スタッフ間のコミュニケーションです。挨拶や何気ない雑談が活発な職場は、風通しが良く、チームワークを高めると思います。新人や若手スタッフが、困ったときに一人で抱え込まず、誰にでも気軽に相談できる雰囲気は、結果的に個々の看護の質を高め、患者さんへのより良いケアにつながると信じています。「誠意」と「温かいコミュニケーション」、この二つを両輪として大切にしていきたいと考えています。
スタッフの働きがいを生み出し、患者さんにもスタッフにも満足度を感じてもらいたい
私が目指しているのは、患者さんの満足とスタッフの満足の両方を高められる部署です。そのために、私は管理者として「スタッフファースト」でありたいと考えています。これは、患者さんを二の次にするという意味ではありません。スタッフがやりがいや魅力を感じ、心身ともに健康で働きやすい環境にあってこそ、質の高い看護が提供でき、結果として患者さんの満足につながると信じているからです。現在の部署には、スタッフ同士がそれぞれの得意分野を活かして相談し合える素晴らしい文化が根付いていると思います。この風通しの良さをさらに発展させていきたいです。私自身のこれからのチャレンジとしては、スタッフ一人ひとりの状況をより深く観察し、最適なタイミングで声をかけ、サポートすること。そして、一人で抱え込まず、副師長たちとも連携し、チームとしてスタッフを見守り、支えていくことです。スタッフの成長が、患者さんの安心と笑顔を創り出す。そんな好循環が生まれる部署づくりに挑戦していきたいです。
