個人の視点から、チーム・病院全体にまで、管理者として芽生えたより広く、深い視野

副看護師長 Y・H

 スタッフから副師長へと立場が変わり、看護と向き合う視野が大きく広がりました。スタッフの頃は、プリセプターとして後輩を指導するなど、目の前の業務や自身の役割に集中していました。しかし管理者になってからは、自分の部署のスタッフ全体の教育や成長はもちろんのこと、病院全体の新人オリエンテーションのあり方など、より広い視点で物事を考えるようになりました。特に大きな変化は、新人教育だけでなく、経験豊富な中堅やベテランスタッフの指導方法にも目を向けるようになったことです。世代間の価値観の違いを理解し、一方的な指導ではなく、今の時代に合った育成方法を模索する必要性を感じています。自分の部署という枠を越え、病院全体の看護の質をどう高めていくか。その一端を担う立場として、日々新たな課題と向き合いながら、チームと共に成長していくことに大きな責任とやりがいを感じています。

効率と楽しさが両立する職場を目指し、スタッフの仕事を楽しむ活力を生み出したい

 私が個人的に大切にしているのは、知識や技術だけでなく、「今、この瞬間に自分にできることを見つけて提供する」という姿勢です。1年目の頃、術後の患者さんのつらい肩こりに、自分ができるマッサージを施したところ、後日手紙で感謝された経験があります。この出来事が、私の看護の原点になっています。管理者としては、スタッフ一人ひとりがそうした想いを実現できる働きやすい環境を作ることが使命だと考えています。仕事は人生の中でも多くの時間を費やすものですから、スタッフには楽しく働いてほしい。そのためには、無駄や無理をなくし、効率的に仕事を進められる環境が不可欠です。物品の整理整頓や手術準備の標準化など、小さな改善を積み重ねることで、スタッフの心に余裕が生まれ、患者さんと向き合う時間や仕事を楽しむ活力が湧いてくると信じています。

「学びたい」意欲をチームの力に。専門性を高め、全員で成長し続けられる部署を目指して。

 これからのチャレンジとして、二つの目標を掲げています。一つは、術後の患者さんのための疼痛管理チームを立ち上げることです。現在、術後の疼痛緩和の方法は科や医師によって様々ですが、これを標準化し、病院全体で共有することで、より質の高いケアを提供できると考えています。もう一つは、スタッフの学びたいという意欲をサポートする仕組みづくりです。学習意欲はあっても、多忙な業務の中でまとまった勉強時間を確保するのは難しいのが現状です。そこで私たちの部署では、朝の数分間で知識を確認できる「1日1問1答」のような取り組みを始めました。この活動を通して、スタッフの知識向上はもちろん、チーム全体のコミュニケーションも活発になっています。こうした小さな工夫を重ねながら、誰もが効率的に学び、専門性を高め、成長し続けられる、そんな魅力ある部署を作っていきたいと思います。