私の原点は理想と現実のギャップという壁にぶつかりながらも成長した学生・新人時代

看護師 K・E

 私が看護師を目指した最初のきっかけは、学生時代にずっと運動をしていて、骨折や捻挫などで病院にお世話になる機会が多かったことです。それに加え、「手に職をつけて安定した生活を送りたい」という現実的な思いもありました。その中で、最も身近な医療職であった看護師という仕事に自然と惹かれていきました。正直に言うと、最初から「人の命を救いたい」というような高い志があったわけではありません。看護学校に進学してからは、解剖学などで人体の仕組みを学ぶことに「面白い!」と夢中になりました。一方で、臨床実習は記録やレポートに追われ、寝る時間もないほど大変でしたね。特に、患者さんに直接関わる臨床の現場は、学校での演習とは全く違う緊張感があり、理想と現実のギャップに何度も壁にぶつかりました。看護師1年目は、そのギャップがさらに大きくなり、毎日最低やるべき業務を覚えることで精一杯でした。学生時代は2人1組で患者さんを受け持っていたのが、いきなり1人で5〜7人を担当することになり、その責任の重さに圧倒される日々だったことを覚えています。

温かく相談しやすい職場のみんなに感謝し、いつも笑顔で看護をすることを大切にしたい

 私が看護をする上で何よりも大切にしているのは、患者さんの前では「いつも笑顔でいること」です。病気と向き合う患者さんは気持ちが沈みがちなので、少しでも元気になってほしいという思いから、声のトーンも意識して明るく接するようにしています。時には、なかなか心を開いてくれない患者さんもいらっしゃいますが、それでもめげずに、根気強く関わり続けることを信条としています。この病院で勤めてよかったと感じるのは、職場の雰囲気の良さです。私の働く病棟は明るい雰囲気で、先輩方も物腰が柔らかく、とても話しやすい方ばかりです。新人時代、分からないことだらけで不安だった時も、すぐに相談できる環境があったので本当に助かりました。また、奨学金制度やe-ラーニングなどの教育体制が整っている点も魅力です。こうした温かな人間関係と手厚いサポート体制があるからこそ、安心して自分の成長に繋げられているのだと実感しています。

救命の現場で、いざという時に的確な判断と行動ができる看護師を目指していきたい

 この仕事の魅力は、患者さんが重い病状から回復していく過程を間近で支えられることだと思います。以前、気管挿管されていた方が、最終的にはご自身の力で歩けるまでに回復された姿を見たときには、人の持つ生命力のすごさに心から感動しました。また、最初は心を開いてくれなかった患者さんと、日々の対話を通じて信頼関係を築き、「また明日も来てね」と言っていただけた時の喜びは、何にも代えがたいやりがいです。これからは、さらに知識と技術を深めて、より主体的に動ける看護師になることが目標です。私の病棟は循環器内科なので、患者さんの急変も少なくありません。今はまだ先輩の後ろについていくことが多いですが、これからは救命の現場でもっと積極的に関われるようになりたいです。そのために、BLS(一次救命処置)などの蘇生に関する勉強を重ねて、いざという時に自信を持って的確な判断と行動ができる看護師を目指して、チャレンジを続けていきたいと思っています。