
看護師 A・O
私が看護師を目指した原点は、生まれつき身体が不自由だった兄と、その兄の生活全てを介助する母の姿です。幼い頃から人の世話をすることが当たり前の環境で育ち、成長するにつれて「母のように人の役に立ちたい」という思いが強くなりました。一度は出産・育児で看護師の夢を諦めかけましたが、看護助手として10年以上働いた後、父の闘病を機に家族から「看護師に向いているから頑張ってみたら」と背中を押され、再挑戦を決意しました。シングルマザーとして子育てをしながらの挑戦でしたが、実家のサポートや子供たちの応援もあり、看護師、そして助産師の資格を取得することができました。
患者さんの「どう生きたいか」に寄り添いたい。環境と清潔ケアを大切に、自分らしい看護を
私が看護をする上で最も大切にしているのは、患者さんが「どう生きたいか」「どう過ごしたいか」という想いに寄り添うことです。特に人生の最終段階を迎えられる患者さんに対しては、その方らしい時間を過ごせるよう、言葉だけでなく表情からも気持ちを汲み取り、環境を整えることを心がけています。また、看護助手としての経験から、患者さんの身の回りの環境を整えることや清潔ケアの重要性を強く認識しています。例えば、おむつ交換ひとつとっても、ただ交換するだけでなく、患者さんの羞恥心に配慮し、少しでも快適に過ごせるような声かけや工夫を大切にしています。この病院は、プリセプター制度や勉強会が充実しており、忙しい中でも先輩方が親身に指導してくださるので、安心して業務に取り組めています。患者さんのために何ができるかを常に考え、行動できる環境があることに感謝しています。
命の誕生と最期に立ち会う尊さ。チームで支え合い、共に成長できる看護の仕事
看護師の仕事の魅力は、なんといっても「チームプレー」だと感じています。医師や他の看護師、コメディカルスタッフなど、様々な職種と連携し、一人の患者さんのために力を合わせることの素晴らしさを日々実感しています。個人競技ではなく、チームで目標に向かっていくからこそ、達成感も大きく、困難も乗り越えられます。助産師としては、新しい命の誕生に立ち会えること、そしてお母さんと赤ちゃん、ご家族の笑顔を見られることが何よりの喜びです。また、リスクを抱えたお母さんや赤ちゃんにも対応できる知識と技術を身につけ、母子の安全を守ることに大きなやりがいを感じています。これからも、生まれてくる命と、人生の最期を迎える命、その両方に真摯に向き合い、患者さんとご家族にとって最善の看護を提供できるよう、日々学び続けていきたいです。
