きっかけは周りの勧めと友人の一言。保育の道から方向転換し、がむしゃらに駆け抜けた新人時代

看護師 M.I

 元々は保育士か幼稚園の先生になりたかったのですが、高校2年生の時、医療従事者である親戚から聞いた「やりがいのある仕事だよ」という言葉や、看護師を目指す友人の影響で、私も看護の道を志すようになりました。人と関わることや、人のために何かをすることが好きだったので、学生時代の実習はとても楽しかったです。担当させていただいた患者さんのために、退院後の生活指導パンフレットを一生懸命作ったことは、今でも良い思い出です。しかし、実際に看護師として働き始めると、想像以上の忙しさに理想と現実のギャップを感じました。1年目は知識も経験も乏しく、命を預かる仕事の重圧から、何をするにも「怖い」という気持ちが先行。先輩に確認しなければ動けないもどかしさもありました。とにかく、目の前の業務に追いつくのに必死で、心に余裕がなかったことが思い出されます。

日々の挨拶や声かけを大切に、患者さんと喜びを分かち合うこと。
温かい人間関係が仕事を続ける原動力

 私が看護をする上で心がけているのは、患者さん一人ひとりに対して失礼のないように、敬意をもって接することです。例えば、お部屋に入る時と出る時の挨拶はもちろん、患者さんに背中を向けないなど、基本的なことですが、とても大切にしています。また、担当の患者さんでなくても廊下ですれ違った時に「点滴が終わって、管が抜けましたね」と声をかけ、回復していく過程を一緒に喜ぶようにしています。その一言で、患者さんが少しでも安心して治療に取り組める雰囲気を作れたら嬉しいです。この病院で10年間働き続けてこられた一番の理由は、人間関係に恵まれているからです。仕事でつらいことがあっても、話を聞いてくれる同期や先輩がいるおかげで、ストレスを溜め込まずに頑張れています。この温かい環境が、私にとって一番の魅力です。

患者さんが元気になっていく姿を見ることが、何よりの喜びでありやりがい。
今後は自分の「強み」を見つけたい

 看護師の仕事の一番の魅力は、患者さんが元気になっていく姿を間近で見られることだと思います。私が働く外科病棟では、手術前から関わらせていただいた患者さんが、術後の痛みを乗り越え、日に日に回復し、笑顔で退院されていく姿を見送ることができます。その瞬間に、人の手助けができることへの大きな喜びと、「ありがとう」という言葉にやりがいを感じています。10年目を迎え、最近は「自分の強みは何だろう」と考えるようになりました。これからは、急変対応の知識を深めるなど、何か一つでも「この分野なら出口さんに任せられる」と言ってもらえるような専門性を身につけることが目標です。そのために、これからも勉強を続けてチームに貢献できる存在になりたいと思っています。