
看護師 A・O
私が看護師を目指したきっかけは、経済的な理由が大きかったです。当時は、看護師になりたいという強い意志があったわけではありませんでしたが、高校の先生に進学について相談したところ、看護学校を勧められました。国家資格を取得することができ、職業としても安定しているので進学を決めました。そんな経緯で看護師になったので、意外に思われるかもしれませんが、看護師1年目はやる気に満ち溢れていました。厳しい看護学校の3年間を乗り越え、国家試験にも合格したのだから頑張ろうという気持ちでいっぱいでした。新人看護師の時代に何度も看護師を辞めようと思ったというような話は一般的にはよく聞く話ですが、私はそういうことが一度もなく前向きに仕事に取り組んでいました。最初は慢性期・地域包括ケア病棟に配属でしたが、そのうち、急性期の知識や技術を身につけたいという思いも芽生え始めるくらい様々なことにチャレンジしたいという看護師1年目でした。
患者さんの背景を理解し、想いに寄り添いたい。対話を重ね、その人らしい看護を目指して
看護をする上で大切にしているのは、会話ができる患者さんであれば、積極的にコミュニケーションを取り、その方の背景やこれまでの人生、そしてこれからどうしたいかという想いを、ご本人から直接聞くことです。それによって、一人ひとりに合った看護を提供できると考えています。会話が難しい患者さんの場合でも、ご家族からお話を伺ったり、身だしなみや口腔ケアなどを丁寧に行うことで、その方が少しでも快適に過ごせるよう心がけています。現在働いている循環器病棟は、以前勤務していた急性期病棟ともまた違った雰囲気ですが、看護師歴に関わらず皆が平等に意見を言い合える、風通しの良い職場だと感じています。医師も気さくに話しかけてくださり、患者さんの状態について気軽に相談できる環境があるのは、この病院で働いていて良かったと思う点の一つです。
患者さんの回復を一番近くで見守れる喜び。感謝の言葉を力に、専門性を深めたい。
看護師の仕事の魅力は、やはり患者さんが元気になる姿を一番近くで見守れること、そして「ありがとう」と感謝の言葉をいただけることです。しんどい思いをされていた患者さんが回復し、笑顔で退院される姿を見ると、この仕事をしていて本当に良かったと心から思います。また、患者さんの人生に深く関わらせていただく中で、安らかに最期を迎えられるよう支援できた時にも、この仕事ならではのやりがいを感じます。今後は、後輩指導に力を入れていきたいと考えています。自分がこれまで急性期やICU、地域包括ケア病棟など様々な分野で経験してきたことを活かし、後輩たちがそれぞれの場所で活躍できるようサポートしていきたいです。また、現在関わっている認知症看護についても、研修などを通じて専門性を深め、より質の高いケアを提供できるようになりたいと思っています。
