理想と現実のギャップを乗り越え、患者さんのために何ができるかを考え続けていきたい

看護師 Y・F

 私が看護師を目指したきっかけは、中学生の時に部活動の大会後に熱中症のような症状で倒れ、夜間救急を受診した経験です。その時に対応してくださった看護師さんがとても穏やかで優しく、身体の辛さが和らいだことを鮮明に覚えています。「こんな看護師になりたい」とその時強く感じ、看護の道を志しました。看護学校では、実習などを通じて理想と現実のギャップを感じることもありましたが、その経験があったからこそ、今の自分があると思っています。現在は手術室に勤務しており、病棟看護とは異なる専門性が求められます。学生時代に学んだことのほんの一部しか活かせないと感じることもありますが、日々新しいことを学び、患者さんのために何ができるかを考え続けています。

手術室という特別な空間で、患者さんの不安に寄り添い、安心感を与えられるようになりたい

 私が看護をする上で最も大切にしているのは、患者さんの不安な気持ちに寄り添うことです。手術室という場所は、患者さんにとって未知の空間であり、大きな不安を抱えて来られます。その不安を少しでも和らげられるよう、手術室に入ってから手術が始まるまでの流れや、麻酔がかかってから覚めるまでの間に何が行われるのかなどを丁寧に説明するようにしています。また、患者さんの表情や言動を注意深く観察し、言葉にならない不安も汲み取れるよう努めています。「大丈夫ですよ」「何かあったらいつでも声をかけてくださいね」といった声かけはもちろんのこと、時には患者さんの手を握ったり、そばに寄り添うことで安心感を与えられるよう心がけています。手術室という特殊な環境だからこそ、看護師の存在が患者さんの心の支えになれると信じています。

手術という人生の大きな出来事に関わり、チームで患者さんを支え、共に成長できる喜び

 手術室の看護師の仕事の魅力は、患者さんの人生における大きな出来事である手術に、チームの一員として深く関われることだと感じています。医師や麻酔科医、臨床工学技士など、多くの専門職と連携し、安全で質の高い手術を提供するために、それぞれの役割を果たしています。手術が無事に終わり、患者さんが回復していく姿を見た時や、術後に患者さんやご家族から「ありがとう」という言葉をいただいた時には、大きな達成感とやりがいを感じます。また、手術室という緊張感のある環境の中で、スタッフ同士が協力し合い、互いに支え合いながら働くことにも魅力を感じています。これからは、手術室看護の専門性をさらに高め、後輩の指導にも力を入れることにチャレンジしていきたいです。そして、患者さん一人ひとりに合わせた、より質の高い看護を提供できるよう、日々努力を続けていきたいと思っています。