
看護師 E・H
私が看護師を目指したきっかけは、実は「安定しているから」「手に職をつけたい」というとても現実的な理由でした。加えて、祖母が病気がちで入退院を繰り返しており、幼い頃から病院に付き添う機会が多く、看護師という職業が身近だったことも影響しています。しかし、看護学校での日々は「しんどかった」の一言。知識ゼロからのスタートに加え、患者さんや先生、実習指導者さんとの人間関係に悩むこともありました。何を質問すればよいのかもわからず、手探りの毎日でした。看護師1年目は、とにかく業務の多さに圧倒されました。「え、こんなたくさんのことを一人で?」と・・・。日々の業務をただ「こなす」だけで精一杯で、時間に追われ、これが看護なのだろうかと感じる余裕もありませんでした。約1年が過ぎたころに、「看護をしている」と感じるようになり、徐々に看護の楽しみを理解し始めました。
患者さんとご家族、双方の想いに寄り添いたい。日々の経験が育む、私らしい看護のカタチ
看護をする上で大切にしているのは、患者さんご本人はもちろんのこと、ご家族の気持ちや生活環境にも目を向けることです。以前は患者さんご自身のことだけを見ていれば良いと考えていましたが、2、3年目の頃に行ったケースレポートの経験を通じて、退院後の生活まで見据えた関わりの重要性を痛感しました。特に私が勤務する外科病棟では、手術目的で入院され、回復して退院されるという流れが明確です。その過程で、患者さんの身体的な側面だけでなく、心理的な側面、そしてご家族の想いも汲み取り、多職種と連携しながら、患者さんとご家族双方にとってより良い退院支援ができるよう心がけています。この病院で様々な経験を積む中で、そうした視点が自然と身につき、自分なりの看護観が深まっていることを実感できるのは、大きな喜びであり、ここで働き続けて良かったと思う点です。
多様な人生に触れ、共に喜びを分かち合いたい。日々成長を実感できる看護の仕事の魅力
看護師の仕事の魅力は、様々な年齢や背景を持つ多くの患者さんと関われること、そしてその方々の人生の一部に深く関わらせていただけることだと感じています。患者さんを「人生の先輩」として、その経験談から学ぶことも非常に多いです。特に、痛くて歩けなかった方が手術を経て歩けるようになり、「ありがとう」と笑顔で退院される姿を見送る時、そしてその回復の過程を支えられた時には、大きな達成感とやりがいを感じます。患者さんやご家族が望む形に近づけるよう支援できた時、この仕事をしていて良かったと心から思います。これからも、今の気持ちを大切に、より多くの患者さんやご家族と真摯に向き合い、多様な価値観に触れながら関わっていきたいです。それが今の私のチャレンジです。
